先日、役場のパネルを見ると、木曽町の人口がすでに9,600人台になっていました。すごいスピードで人が減っています。町は、今までの価値観や やり方のままで存続できるのでしょうか。
課題、課題、そして課題
木曽町を広い視点から眺めてみましょう。
- 世界的な視点で見ると、グローバリズムの反動として権威主義化が進んでいます。人権の制限や戦争を心配する声も多くなっています。そんな世界情勢の只中に木曽町はあります。
- 国内的には、ポピュリズム、対立、分断、差別、排他主義、そして経済の縮小、高齢化など、課題は山積みです。
- 自然環境については、多くの人が環境が変わってきていると感じていると思います。木曽町は豊かな自然の中にありますが、それでも、木曽谷はもちろん、開田高原でもエアコンをつけ始めています。
- そして先進技術、特にAIについては、専門家の想像を超える進化が起こり続けています。AIは、生活やビジネスなどを変え続け、それはすでに政治や行政にも影響を与えています。AI取り入れるか入れないかは、地方自治体に予想を超えるインパクトを与え、大きな差をつけるでしょう。
山積みの課題にどう対応する?
これらの課題に対し、政治や行政はどう対応すれば良いのでしょう。
考えてみると、「課題」は常に先に起こり、そして「解決」は常に後から追いかけます。そして、一つの課題を解決している間に、二つ三つとさらなる課題が起こることもあります。つまり、課題を追い続けている限りは、課題には追いつけません。私はこれを「後追いの活動」と呼んでいます。
私は「先回りの活動」(先回りの政治・先回りの行政)を行うことを心がけています。
つまり、どんな町にしたいか、自分はどんな町で生きたいかを考え、皆さんと目的・ビジョンを共有し、そのビジョンに向かって進んでいくという活動です。先回りの活動とは、自分たちで自分たちの欲しい社会を作るクリエイティブな活動です。
「先回りの活動」に必要なもの
では、先回りの活動(先回りの政治・先回りの行政)を行うためには、何が必要なのでしょう。私は次の要素が必要だと思っています。

- 広い視野:木曽町だけを見るのではなく、世界的な視点から木曽町を見渡す視点
- 長期的な時間感覚:その日だけ、年度末まで、1年後まで、3年後までという短い時間感覚ではなく、少なくとも10年先までを見渡す時間感覚
- 環境意識:木曽町は地球の一部であるという感覚。かけがえのない木曽の自然を保護し、気候危機の改善に貢献しようとする意識
- 先進技術への感度:町、議会、行政の機能を高めるために、先進技術にアンテナを張り、取り入れる感覚
- 企画力・戦略力・実行力:目的を実現するための事業を企画する力(クリエイティブ力)、成功させるための戦略を作る力、達成するための実行力
これらを意識することにより、先回りの活動を行うことができます。
木曽町ができること
木曽町が取り組める「先回りの活動」は、たくさんあると思います。
例えば、私が現在取り組んでいる、「子どもの心と体の健康」を守るプロジェクトは「先回りの活動」です。このプロジェクトは今の子どもたちのためでもありますが、未来に生まれてくる子どもたちのためのプロジェクトでもあります。しっかりした仕組みを作り、メンテナンスし続けることによって、将来にわたって良い効果をもたらし続けることができます。
「猫の条例」も「先回りの活動」です。今は、ネコに共感する人々だけが、身を削って必死に猫保護に取り組んでいる状態です。しかし、もし効果的な条例が作れたら、その方々の負担を減らすだけではなく、将来にわたって木曽町の猫を把握でき、なによりもこれら生まれるかもしれない猫たちの苦しみを減らすことができます。また、この方法が成功したら、他の自治体へ転用できるかもしれないという広い視野でも考えています。
そしてこれらの事業を、企画力・戦略力・実行力をできる限り活用して行なっています。
木曽町が、「先回りの活動」によって取り組めることはたくさんあると思っています。
例えば、
木曽町議会の、議員不足・女性や若者の政治進出など。
木曽町役場の、組織再編・適材適所の人事・予算の未来への投資の仕組みづくりなどです。
これらは、今取り組んでおかなければならない、後回しにすればするほど解決が難しくなる課題です。
木曽町の未来を作るために
木曽町は、否応なく不安定な激動の時代に巻き込まれており、それは今後さらに激しさを増すでしょう。
木曽町が生き残るには、今までのやり方を変えるしかないと考えています。
そしてそれはやりがいのあるチャレンジだと思っています。
目黒峰人
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理想の木曽プロジェクトは、人・社会・未来の三つの軸で木曽町をもっと良くしていく取り組みです。