【木曽町】プラントベース先進自治体構想~環境問題との関係について知ろう!~|目黒峰人ニュース

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プラントベースとは?

プラントベースとは、食事のすべて、または大部分を植物性食品にする食事のことです。
プラントベースのメリットは大きく5つ。
1.環境、2.健康、3.地域経済、4.食糧安全保障、5.動物との共存です。

本日は、1.環境について考えます。

気候危機は止まる気配を見せない

山火事の写真

木曽町はもちろん、開田高原でもエアコンをつけるご家庭が出てきました。新築した開田支所もエアコンを付けたそうです。
多くの方から、昔の木曽はこんなに暑くなかった、と聞きます。

気候危機を避けるために、世界各国が、再エネの推進・電気自動車・公共交通機関の利用・地産地消・断熱などを推進しています。
しかし、気候危機は止まる気配を見せません。
自然を壊して作る再エネ施設や、電気自動車のバッテリー破棄問題は、むしろ気候危機を早めているという批判もあります。

これらの解決法に比べ、確実に成果を出せる方法があります
それが、プラントベースの推進です。

動物食が地球環境に与える影響

砂漠とロバと羊の写真

プラントベース(Plant Based)の反対は、アニマルベース(Animal Based)、動物性食品の食事です。
動物性食品を作る過程では、以下のような問題が発生しています。

  1. 温室効果ガスの排出
  2. 熱帯雨林の破壊、放火
  3. 淡水の過剰な使用
  4. 河川・海洋など水質汚染、富栄養化、デットゾーン
  5. 土壌汚染
  6. 抗生物質による薬剤耐性菌の発生
  7. 先進国の動物食による、発展途上国の貧困
  8. 動物の飼料生産のために、人が食べられる農作物を作ることができる土地を使っている
  9. など

具体例を見てみましょう。

1. 温室効果ガスの排出について、科学雑誌サイエンスによると、肉・卵・乳製品・水産養殖は、人が摂取するタンパク質の37%、カロリーの18%しか供給していません。しかしながら、世界の農地の約83%を占め、食品生産の温室効果ガス排出量の56~58%を占めています。特に牛がゲップなどで排出するメタンは、CO2の25倍以上の温室効果をもたらしています。

2. 熱帯雨林の破壊について、例えば、南米アマゾンの森林伐採や放火の80%は、放牧に由来しています。かつて、サハラ砂漠が砂漠化したのは牧畜が原因であり、、現在でも毎年、秋田県と岩手県を合わせた面積が砂漠化しています。アマゾンが砂漠化したら大変ですね。

3. 淡水の過剰な使用について、例えばハンバーガーをたった1個を作るために、約2,400〜3,000リットル(お風呂15杯分以上)もの水を使っています。 一方、満足に水が飲めない人たちもたくさんいます。

また、漁業は陸に住む私たちからは見えにくいですが、海の環境を激変させています。毎年数兆の魚などが海から引き上げられており、数多くの海洋動物が絶滅の危機に瀕しています。

プラントベースが解決すること

プラントベースは、上に挙げた「動物食が地球環境に与える影響」を改善します。
その一部を紹介します。

例えば、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、以下のようにレポートしています。

  • 畜産による排出削減は、温室効果ガス排出量の絶対的な削減につながる可能性がある
  • 持続可能で温室効果ガスの排出が少ないシステムで生産されたプラントベース生活は、気候変動によるリスクを軽減することができる
  • プラントベースへの移行により、数百万km2の土地が解放される

また、ミネソタ大学は、飼料を作る畑を、人用の畑に転換すれば、今より40億人多い人々を養うことができると試算しています。

プラントベースは美味しい!

プラントベースのハンバーガーの写真
RO2

プラントベース(菜食)というと、何を食べればいいかわからなかったり、精進料理やサラダなどテンションが上がらない料理のイメージがあると思います。

しかし、実際は、植物だけでほとんどの料理を作ることができます
和食はもちろん、ラーメン・中華・インド料理・アフリカ料理、ピザ・ハンバーガー・フィッシュ&チップスなどのジャンクフードから、ケーキ・アイスクリーム・マフィンなどのスイーツまで。
ミルクは、豆乳・ライスミルク・オーツミルクなど選択肢が増えますし、植物製のチーズもあります。
プラントベースは、実際とても美味しいですし、体も軽くなります

気候危機は目の前の食事から

地球人82億人が、今までの食事をし続ければ、環境に極めて高いインパクトを与え続けることになります。逆に、82億人が環境の負荷の低い食事に切り替えれば、そのインパクトも大きいものになります。

気候危機を改善するのは、大きな新しい何かを行うことではなく、目の前の食事を環境負荷が低い食事にすることなのです。

次回は

プラントベースでタンパク質は足りるの?、健康に影響はないの?といった疑問について考えてみます。

(*「地元の畜産はどうなるの?」 と思われる方もいるかもしれません。プラントベースの推進は、地域経済の活性化、食の選択肢を増やすこと、インバウンドなど観光客のニーズに応えることに貢献するものです。ご承知おきくだされば幸いです。)

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理想の木曽プロジェクトは、人・社会・未来の三つの軸で木曽町をもっと良くしていく取り組みです。

《参照》

Climate Change and Land. IPCC. https://www.ipcc.ch/srccl/?utm_source=chatgpt.com
Reducing food’s environmental impacts through producers and consumers. Science. https://www.science.org/doi/10.1126/science.aaq0216?utm_source=chatgpt.com.
Existing cropland could feed four billion more by dropping biofuels and animal feed. Science News. https://www.sciencedaily.com/releases/2013/08/130801125704.htm?utm_source=chatgpt.com.
The hidden costs of burgers.WWF. https://wwf.panda.org/discover/knowledge_hub/where_we_work/amazon/amazon_threats/unsustainable_cattle_ranching/?utm_source=chatgpt.com.
世界で広がりゆく砂漠化の原因とは 地球温暖化との関係を知り土地再生に取り組もう
. HATCH. https://shizen-hatch.net/2020/10/08/desertification/.