お金のかからない選挙は実現可能か
私は十分可能だと思っています。
そもそも、無駄な税金がかかる選挙制度、不公平な選挙制度は変えるべきです。
選挙にはお金がかかる?
かかります。
アメリカの選挙のお金のかかり方やお祭り騒ぎは常軌を逸していますが(2020年大統領選挙の選挙資金総額は約8400億円)、日本の選挙制度も負けていません。
現実問題、選挙は、お金を持っているほど有利です。
特に広告宣伝費、イメージ戦略などに注ぎ込み、知名度を挙げられるからです。
日本の政党は、大手の広告代理店に多額の広告宣伝費を支払っています(自民党が19年間で電通に支払ったお金は100億円)。
地方選挙でも多額のお金が必要になります。
供託金に始まり、選挙カー・広告・ビラ・ポスター・事務所費などなど。
結局不公平
つまり、実力や想いがある人であっても、お金がなければ立候補することすらできません。
経済的に脆弱な状態にある若者や、シングルマザーや障がい者など、社会的弱者は、立候補する時点で供託金などの支払いで、さらなるハンディキャップをもたされています。
選挙制度は不公平を是正するためとされていますが、実際は助長しており、多様な意見が議会に入ることを阻害しています。
税金が使われる
選挙に多額の税金が使われることも問題です。
選挙カーや選挙ポスター、選挙ハガキ費用などは税金で補填されます(選挙公営制度)。
例えば「選挙カー」で考えてみると、選挙カーの公費負担を享受できる人は、自己負担分を払える人です。
結局お金のない人は、選挙カーを出せず、不利になります。
そもそも、有権者にとって選挙カーはうるさいですし、政策をちゃんと聞けるわけでもありません。
候補者にとっては、ただただ、有権者に名前を刷り込む他ありません。
選挙の本質に全く関係なく、誰も得していません。
オランダ人に聞いたら、「オランダでも20年前までやってた。懐かしい」と言われました。
つまり選挙カーは無くても問題ない、ということです。
「選挙ポスター」も不要かもしれません。
選挙の看板を立てるのにも費用がかかりますし、昨今は、選挙ポスター掲示自体が悪用されるなど、その意義は減り続けています。
その他の公費負担に関しても、無くせるか、減らすことができると思います。
お金がかからない選挙は、地味だけど本質的
解決の方針は、
お金をかけずに、
「全ての町民に、立候補できる機会を提供する。」
「全ての有権者に、 立候補者に関する公平な判断材料を提供する。」
供託金
供託金は廃止し、お金がない人も選挙に立候補できるようにすべきです。
立候補者の約4割が女性で、市民の政治参加が盛んで知られるフィンランドでは、供託金はありません。
不適切な目的を持つ人の立候補を防ぐという供託金は、昨今の選挙を見ると、すでに機能していないことは明らかです。
供託金制度の裏にある暗黙の価値観は、「お金を集める能力がある人は、不適切な目的を持たない」ということであり、全く的外れと言えるでしょう。
候補者の広報
選挙カーやポスターなど、お金も手間もかかるものは止め、議会や行政がすでに持っているメディア(きそまち議会だより・広報きそまち・ウェブサイト等)を通じて、公平に行います。
そのことで、可能な限りお金をかけずに、候補者の公平性が保たれ、有権者に判断に必要な情報を届けることができます。
選挙制度を変えるには、多大な障害を超えていかなければなりません。
しかし、住民のための議会、より多様な意見を話し合う議会にするために、議会改革は必須です。
目黒峰人
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理想の木曽プロジェクトは、人・社会・未来の三つの軸で木曽町をもっと良くしていく取り組みです。

《参照》
徹底解剖!アメリカ大統領選2024(6). https://www.dlri.co.jp/report/macro/333802.html.
自民、電通へ100億円超 19年間 政党助成金から支出. https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-09-15/2020091501_04_1.html.
選挙公営制度. https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo16.html.
木曽町議会議員及び木曽町長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例. https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrJbF01/init?jctcd=8A8556CB69&houcd=H503901010001&no=1&totalCount=8&fromJsp=SrMj.
木曽町議会議員及び木曽町長の選挙における選挙運動の公費負担に関する規程. https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrJbF01/init?jctcd=8A8556CB69&houcd=H503902500049&no=2&totalCount=8&fromJsp=SrMj.
日本とフィンランド、地方選挙を比べて見えてきた「決定的な違い」. https://gendai.media/articles/-/85943.